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母島列島
【ははじまれっとう】


小笠原諸島を形成する列島の1つ。北緯26度30分~26度42分・東経142度7分~142度10分に位置し,母島をはじめ,姉島・妹島・姪島(めいじま)・平島・向島・丸島・二子島・鰹鳥(かつおとり)島と付属する小島からなる。これらの島々の間には大瀬戸・丸島瀬戸・向島瀬戸・姉島瀬戸・姪島瀬戸といった瀬戸もある。この列島の島名および地名は,文久2年,水野忠徳一行の巡島の折,古記録(延宝3年島谷市左衛門らの巡島の記録)を参考にして命名したという(小笠原島記事拾遺)。明治期に入ると,母島以外の姉島・妹島・姪島・向島・平島といった島に断続的に人口の分布が見られるが,昭和19年の引揚げの時までには,すべて無人島となり,居住地は母島のみであった。列島への航路は明治32年から母島沖港~姉島北浜~妹島北浜~姪島西港を結ぶ月1回の定期船が就航。同36年には字名更正により,上記の島々は母島沖村の所属となる。また,列島は土壌および雨量にも恵まれ,農業に適しており,母島をはじめ各島でも甘蔗・蔬菜・果実類等が盛んに作られた。列島の人口は,明治19年の引揚げの時は2,109人であった。現在は母島のみ約300人が居住(小笠原諸島概史・小笠原島志・小笠原墓参実施報告書)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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