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南鳥島
【みなみとりじま】


小笠原諸島中の島名。北緯24度14分・東経153度58分に位置し,周囲7.636km,面積119haの島である。欧米人は19世紀後期頃からマーカス島と呼ぶ。明治12年・同16年と相次いで日本人による視察および調査があり,同29年,水谷新六が同島を踏査して母島から労務者を移住させた。同31年日本領となり,東京府告示で南鳥島と命名し小笠原島庁の所轄とした。島内の地名としては,石井浦・水谷村・垣本(かきもと)崎・笠置(かさぎ)崎・黒井崎等がある。南鳥島への移民は,明治33年8人,同43年71人,大正4年49人,同9年29人,同14年12人,昭和5年32人,同10年5人。同10年には海軍水路部の気象観測所ができて軍隊が駐留,終戦後は米軍が占領,観測にあたったが,米国の指示により昭和26年からは日本の気象庁が観測を行い,同38年の観測打切りまで続いた。以後,米軍の観測が続けられていたが,同43年小笠原諸島の返還により,現在は気象庁と米軍の両方が観測を行っている(小笠原諸島概史・小笠原島志)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7064671