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大楠山
【おおくすやま】


「おおぐすやま」ともいう(日本地名大事典)。横須賀市芦名にある山。三浦半島の最高峰で,標高241.3m。「新編相模」によれば,山名は山頂にクスの木があったことに由来するとある。しかし「横須賀雑考」には,クスは熱帯性の植物で,必ずしもクスが「クスの木」を示すとは限らず草の生い茂る大きな山という意味にも,またクズの生い茂る大きな山とも考えられるとしている。「地名辞書」には「三浦半島第一の絶頂とす,然れども峯頭頗平夷にして,険奇の相なし,禿頭磨するかごとし」とある。山の西麓には,三浦半島で唯一の温泉である阿部倉温泉がある。大楠山周辺に分布する地層は,泥岩と砂岩の互層からなる新第三紀中新世の三浦層群逗子層である。山並みの北側には衣笠断層帯,南側には北武断層帯がともに西北西~東南東方向に延びており,地形・地質の単元を分けている。なだらかな山筋に沿ってハイキングコースが整備され,山頂からは相模湾を経て伊豆・箱根・富士,東京湾を挟んで房総半島などを眺望できる。現在,山頂には電電公社の無線送受信用鉄塔がたてられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7066021