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大野山
【おおのやま】


星山・王ノ山ともいう。足柄上郡山北(やまきた)町の南部にある山。標高723.1m。丹沢山地の南の前山である足柄山地に属する。大野山・星山の名の由来は不明であるが,王ノ山の名は後醍醐天皇を祀ったところからの呼称といわれる。地質は新第三紀中新世の丹沢層群中部の凝灰岩層からなる。地形はなだらかで,山頂付近は広々としており県営大野山乳牛育成牧場(84ha)がある。南の山すそには東名高速道路の都夫良野(つぶらの)トンネルや国道246号が通る。付近には後醍醐天皇の皇子,宗良親王が足利尊氏と戦った河村城の跡がある。また,付近の地名である兵僧平・人遠(ひとどお)・武士平・古宮山・鍛冶屋敷などは,南朝時代の伝承を物語るものという。周辺地区に伝わる行事お峰入りは5年ごとの10月16日に行われ,県無形民俗文化財となっている。これは南朝時代に宗良親王が河村城にたてこもったころからの行事という。毎年4月29日には,山頂にある竜集権現社で山開きの行事がある。登りやすく古くからハイキングコースとして知られ,訪れる人も多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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