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御谷
【おやつ】


鎌倉市雪ノ下,鶴岡八幡宮の北西にあたる地域の谷の総称。別当坊のほか二十五坊の供僧職の住居と祠堂のあったところで,谷に敬語を付して一般の呼称となったものである。現在の地形は3つの谷になっており,新しい切通しのある西谷,八幡宮の西側を南北に通る道(馬場小路)が小袋谷に向かって左へ大きく曲がる道端の右に「二十五坊跡」の碑の前をまっすぐに北に入る北谷,八幡宮の末社の今宮のある東谷に分かれている。なお,「鶴岡八幡宮供僧次第」(続群4下)には南谷も加わり4つの谷の名が見える。南谷は現在は不詳だが,「鎌倉市史社寺編」によれば,のちに南谷も合わせ西谷と呼ばれるようになったのではないかという。「吾妻鏡」承久元年正月27日条には阿闍梨公暁が源実朝の首を持して後見人の備中阿闍梨の雪下北谷の宅へ向かったとある。また同書弘長元年9月3日条には弁法印審範の住居として「雪下北谷宿坊」ともある。御谷のうち北谷が中心であったようで,坊の数も最も多かった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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