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金沢浦
【かねさわのうら】


横浜市金沢区六浦町の入江。鎌倉期の六浦は北条氏の一族金沢氏の所領で,安房・上総・下総などの物資が当浦に集められ,良港を持たない鎌倉へ運ばれたらしい。唐船も着いたと伝える。古くから交通・製塩・戦略上の要地となっていた。弘安年間無住一任が,「沙石集」巻1に「サテ鎌倉過テ,六浦ト云所ニテ,便船ヲ待テ,上総へ越ントテ,浜ニウチ臥テ休ミケル程ニ」と記しているが,文明18年東国に遊んだ道興准后は「廻国雑記」(群書18)の中で「浦川のみなとといへる所にいたる,こゝは昔頼朝卿の鎌倉にすませ給ふとき,金沢,榎戸,浦河とて三の湊なりけるとかや」とのべている。金沢浦は鎌倉期に最も栄え,文明頃には廃湊に近い状態であったらしい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7066405