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経ケ岳
【きょうがたけ】


厚木市・愛甲(あいこう)郡愛川町・同郡清川村の境にある山。丹沢山地の前山である中津山地に属する。標高633.1m。2本の断層によって両側を切られた地塁の中津山地にあり,凝灰岩や礫質砂岩などからなる新第三紀中新世の愛川層群が分布する。当山は東方の厚木市荻野地区の方角から望むと穏やかな山容をなすため荻野富士と呼ばれる。山名は,頂上のすぐ西に経石と呼ばれる長さ2.2m・幅1.65mの巨石があり,その石の西側に縦60cm・横50cmほどのくぼみがあって,ここに写経を納めたことから起こったという。「新編相模」には「役小角華厳経をここの石櫃に納む,よって山名とせり」とある。また同書には愛川町田代の勝楽寺は弘法大師が法華経を書き写した旧跡で,寺の背後の山を法華峰と呼び,納経をした巨石を経石と名づけたという記述がみられる。以上のように法華峰に納経したのは役小角・弘法大師と2説がある。山頂の西に半原越と呼ばれる峠があり,矢倉沢往還と津久井往還を結ぶ甲州道の1つが通っていた。現在は甲州道に沿って清川村煤ケ谷の坂尻から愛川町半原の馬渡へ林道が開通している。このほか,登山道は北東麓の半僧坊勝楽寺へ下るもの,尾根上を南東に華厳山・高取山と結ぶものがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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