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鞍掛山
【くらかけやま】


足柄下郡箱根町・同郡湯河原町・静岡県田方郡函南町の境にある山。箱根古期外輪山の最南端。標高1,004.3m。北と南の2つに山頂を持つため,山の形が馬の鞍によく似ており,山名はこのことに由来すると思われる。主に第四紀更新世中期に活動した湯河原火山の噴出物よりなる。箱根火山との境界は浸食が進んでいるため不明瞭である。山頂から東へ大観山・白銀山・聖岳・石垣山と稜線は延びる。豊臣秀吉は天正18年の小田原攻めの折,関白道・太閤道と呼ばれるこの外輪山稜線を通ったと伝えられる。現在は箱根ターンパイクがこれに代わっている。南へ稜線をたどると十国峠(日金山)に至り,さらに東に進むと岩戸山から熱海市の伊豆山に達する。これはかつて箱根権現と伊豆権現を結ぶ参拝路として栄えたものである。北の山頂には南の湯河原峠からロープウエーがかかり箱根の展望台になっている。南の山頂には無線中継塔がある。北麓には鞍掛ゴルフ場・孫助山が広がり,芦ノ湖・中央火口丘の展望がよい。樹木は少なく,ハコネダケが茂る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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