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仮粧坂
【けわいざか】


鎌倉七切通の1つ。鎌倉市扇ガ谷4丁目と佐助2丁目を結ぶ。気和飛・毛和井・化粧・気生・形勢などとも書く。葛原岡神社のある尾根から梅が谷へ下る,S字形に山腹を切り割った坂路。藤沢・武蔵方面との出入口で鎌倉の重要な防御拠点。国史跡。坂名の由来は,討ち取った平家の武将の首級を化粧し実検した所だとか,この辺りに娼家があったからだとかいわれる。「吾妻鏡」建長3年12月3日条に,鎌倉中で小町屋および売買所を構えてもよい所の1つとして「気和飛坂山上」が見える。文永2年には廃されたが,この地は鎌倉後期に最も栄えたようである。坂は元弘3年新田義貞の鎌倉攻めで有名になった。義貞は三手にわけた一軍を仮粧坂に向け,幕府軍を破って鎌倉を陥れた。鎌倉の心臓部にちかいだけに,戦略上きわめて重要な拠点であったことがわかる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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