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駒ケ岳
【こまがたけ】


古くは般若ケ峰と呼ばれた。足柄下郡箱根町元箱根にある山。箱根火山のカルデラ内の中央火口丘の1つ。標高1,350m。箱根山中第二の高峰で,山頂からの展望は箱根のみならず富士山・伊豆の山々とすばらしい。箱根神社の奥の院の駒形権現が山頂に奉られたことによる山名。「吾妻鏡」には仁治2年7月3日僧隆弁が将軍源頼経の使いとして般若ケ峰を訪れ,十六会を転読し,28日に下山したと記録されている。駒形権現周辺の磐座群からは土器・古銭などが発見され,駒ケ岳信仰の歴史を知る上で重要である(箱根町誌)。山体は安山岩質溶岩が冷却してできた溶岩円頂丘で北の神山の中腹から噴火が起こり形成された。北に広葉樹林が見られるほかは中腹以上が風衝草地である。ハコネコメツツジ・ハコネシモツケソウなどが見られる。山頂は広く,駒形権現社のほか,屋内・屋外スケートリンク・レストハウス・噴火口跡などがある。冬期は富士山を見ることのできるスケート場として若者の人気が高い。山頂へは芦ノ湖畔の箱根園から駒ケ岳ロープウエーが,東麓の駒ケ岳登り口からは駒ケ岳ケーブル(箱根登山鉄道経営)が通じている。西麓には箱根ピクニックガーデン,南麓には箱根園ゴルフ場・箱根神社がある。登山道は箱根園・湯ノ花沢からがあるが,ロープウエー・ケーブルカーで山頂に達し,神山を経て大涌谷・早雲地獄へ向かうハイカーが多い。東麓の湯ノ花沢に接した硫黄山に噴気地帯があり,現在も活動している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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