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高麗山
【こまやま】


「こうらいさん」ともいう。高麗寺山とも書く(新編相模)。中郡大磯町高麗にある山。大磯丘陵東端部に位置する。標高167.3m。南麓は大磯海岸に迫り,相模湾に面する。国鉄東海道本線や国道1号が南側の山すそを通過する。東側の山すそを花水川が流れ,山の北側,東側には相模平野(低地)が広がる。大堂・東天照・八俵山と呼ばれる3峰からなる。山名は,山麓にある地名の高麗に由来する。高麗は上代に高麗の渡来人が居住したゆえの地名で,高来とも書いて「こうらい」と呼んだ。「こま」と呼ぶようになったのは明治4年の社寺領上知以後のことである(中郡勢誌)。また高麗寺山については「新編相模」に「別当高麗寺の旧地と云,故に山に名づく」とある。山腹には横穴古墳が多いことでも知られる。山頂と山腹に,古代渡来民族の廟寺で,高麗および大磯の鎮守でもある高来神社がある。源頼朝が妻政子の安産を祈願したと伝わる。神社境内は,奈良期に創建され明治維新に廃寺となった高麗寺跡で,室町期の地方豪族の城跡でもある。当山の主部を形成する地層は,主に砂岩・泥岩・火山噴出岩などからなる新第三紀中新世の高麗山層群である。また,当山一帯は臨海性常緑広葉樹の自然林が保存されており,昭和47年に県天然記念物として指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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