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権現山
【ごんげんやま】


足柄上郡山北(やまきた)町にある山。標高1,018.8m。中川川(河内川)・世附川・玄倉川の水を集めてせき止めた三保ダムの北西にある。新第三紀中新世の丹沢層群下部の地層が変成してできた結晶片岩からなる。山頂は樹林に覆われ,開けた展望はないが,二等三角点が置かれており,ここから北へ20mほどの所に文化13年と書かれた権現の石宮がある。これはかつて世附の人があげたもので,もとは国有林との境にあったが,大震災で下へ転がり,現在の所に祀ったという。世附では当山をデイギリ(大桐のこと)山といい,かつてはこの山で雨乞の儀式が行われ,その時に歌ったアメコイシの歌「雨乞しやじゅうんど 富士の裾野の横雲 北へ通うれば降るとやアイ 雨がおおきに降りだした」が残る。山頂に権現を祀る山ということで名づけられたものであろう。この権現は,北の大室山の沖の権現に対する前権現となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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