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三ノ塔
【さんのとう】


秦野(はだの)市北部にある山。丹沢表尾根と呼ばれるヤビツ峠と塔ノ岳間の尾根上に位置する。また南へは三ノ塔尾根が派生し,秦野市横野に至る。標高1,205.2m。いわゆるグリーンタフ(緑色凝灰岩)からなる新第三紀中新世の丹沢層群中部の地層が分布する。ブナやマツの樹林に覆われ,珍しい植物としてヒメハナワラビなどが見られる。当山は南麓の集落菩提の上にそびえるところから菩提山とも呼ばれる。また,諸戸・札掛などの北麓・東麓方面では水沢の頭とも呼ばれてきた。三ノ塔の名は南麓の横野集落にある唐子神社の縁起によれば,唐からこの地に来た唐子明神が横野集落に延びる尾根の上にともした灯火にちなむといわれる。すなわち,2番目にともされた火が二ノ灯から二ノ塔へ,3番目にともされた火が三ノ灯から三ノ塔へそれぞれ転じたものと伝えられる。これとは別に,里人が山仕事に入った際,共通の休み場所として,一の所・二の所・三の所という場所を設けた。そしてこの三の所という地名の異称の三のトが三ノ塔となったともいわれる。なお三のトの別の解釈として,丹沢へ入峰した修験者が休憩した第三の場所の意味とするとも伝えられる。南に葛葉(くずは)川を発し,沢登りコースとして親しまれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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