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十間坂
【じっけんざか】


茅ケ崎市十間坂3丁目にある東海道の坂。江戸から14番目の南湖(なんご)の一里塚をすぎた西方の下り坂で,先は南湖の立場,茶屋町となる。茶屋町は相模川の川留め時には旅人の宿泊場ともなり,藤沢~平塚間の間の宿の性格を持っていた。坂名の由来は不詳だが,初見は「太平記」で,元弘3年の新田義貞の鎌倉攻め,建武2年の乱の部にそれぞれ「元弘三年五月十八日の卯の刻に,村岡・藤沢・片瀬・腰越・十間坂五十余ケ所に火を懸て,三方より寄懸たり」「始遠江の橋本より佐夜中山・江尻・高橋・箱根山・相模河・片瀬・腰越・十間坂,此等十七箇度の戦に平家二万余騎の兵共或は討れ」とあり,当時から坂の名のほかに地区の名でもあった。近世においては茅ケ崎村の小名の1つ(新編相模)であり,現在は茅ケ崎市の町名でもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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