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十間坂
【じっけんざか】


南北朝期に見える坂名。一般には茅ケ崎市馬入川東方の地名とされるが,鎌倉の腰越にもあった(新田義貞伝)。「太平記」巻10によれば,元弘3年5月の新田義貞鎌倉攻めの記述に「人皆周章シケル処ニ,結句五月十八日ノ卯刻ニ,村岡・藤沢・片瀬・腰越・十間坂,五十余箇所ニ火ヲ懸テ,敵三方ヨリ寄懸タリシカバ」とあり,義貞の攻撃順路を追ってみれば,十間坂の腰越存在説に従うべきであろう。「神明鏡」には「十八日卯ノ刻ニ,村岡・藤沢・青船・片瀬・十間酒屋五十余ケ処ニ火ヲ懸テ,敵三方ヨリ寄懸タレバ」と見える(続群29上)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067194