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鷲峰山
【じゅぶせん】


鎌倉市今泉台,覚園寺の背後にある山。同寺の山号にもなっている。「しゅうほうざん」ともいう。標高149m。「註無量義経」上に「王(舎)城東北ノ山ナリ,新ニ鷲峰山ト翻ズ,正ニ開経及ビ合経ヲ説ク処也」とあるように,鷲峰山はもともとインドマカダ国の王舎城北東の山で,釈迦説法の地として名高く,現在のチャタ山という。山上に「弘法硯の水」という湧水があり,常に清水を湛えて百日の干天にも乾沽することがなかったと伝えるが,「新編相模」など近世の地誌類は,これを「棟立ノ井」と混同して記しているのはまちがいである。「残稿」二階堂村の項は「嶺上ヲ二分シテ西北ハ今泉村ニ,東南ハ本村ニ属ス,山脈,東ハ大平山・五輪山等ニ,西ハ今泉村ノ鷹塚山及山ノ内村ノ勝上献ニ,南ハ雪之下・西御門村ノ諸山ニ延亘シ,雑樹叢生ス」と伝えている。山腹から山頂にかけては200余の墳墓群があり,百八やぐらと呼ばれ,県史跡となっている。周辺に分布する地層は,凝灰質砂岩や凝灰質砂岩泥岩互層を主とする上総層群で,新第三紀鮮新世の地層である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067347