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湘南
【しょうなん】


神奈川県の南部,相模湾に面する一帯を指す地域称。生活圏としては,鎌倉市・藤沢市・茅ケ崎市・平塚市・高座(こうざ)郡寒川町・中郡大磯町・二宮町から成る。「湘南」の命名は,中国湖南省の洞庭湖に注ぐ湘水の南方一帯の景勝地にちなむ。逗子(ずし)に住んだ文豪徳富蘆花の随筆に登場してから,この名は人口に膾炙している。温暖な気候に恵まれることから,明治中期以降,別荘地・保養地として注目され,学者・作家・政治家などが多く移り住み,湘南文化人なる言葉を生んだ。それとともに,湘南電車・湘南海岸など特有のイメージを持つ語も生まれた。小田急江ノ島線の開通,国鉄東海道本線・同横須賀線の電化などにより,この地への一般勤労者の移住も増加し,住宅地化の傾向は現在も続いている。歴史的都市鎌倉を擁することから,観光地・レジャー地としても古くから知られているが,近年では最新のファッションに身を包み,あるいはサーフボードを抱えた若者たちの訪れが目立つ。この地域は県総面積の10.8%・人口の13.8%を占め,京浜地区に次ぐ県下第2位の人口集中地域となっている。湘南に対応する地域称として西湘という呼称がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7067371