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鷹巣山
【たかのすやま】


足柄下郡箱根町にある山。芦之湯の北東約1kmに位置する。箱根火山のカルデラ内の新期外輪山の1つで,安山岩質の溶岩が台地上に広がる楯状火山である。標高834m。山名は,タカが多く生息したことによる。江戸期は将軍の鷹狩用のひなを取った山ともいわれる。古道の湯坂道が山頂を通り,箱根裏街道(現国道1号)が西麓を通る。小田原北条氏は当時重要路だったここに鷹ノ巣城を築き,豊臣秀吉勢に対した。天正18年徳川家康の家臣,松平康重と牧野康成が攻め落とした。「新編相模」には「広さ南北四町三十七間,其内一町五間に三十五間の所を本城の跡と云,廻りに高四五尺許の土手の形残れり,東西は三十五間,南方を大手とし,北東を搦手とす」と城を述べている。城跡は山頂の北にあるが今はわずかな土塁を残すのみである。登山道は芦之湯からが最短である。高木は少なく,カヤトの山としてハイカーの人気は高い。南麓で旧東海道の畑宿へ向かう山道が湯坂道から分かれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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