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天台山
【てんだいさん】


鎌倉市二階堂と十二所の境,瑞泉寺の北方にある山。標高141.4m。近くに国史跡お塔やぐらや貝吹(かいふき)地蔵がある。「鎌倉志」は「不知。記録もなく,古老も知れる人なし,今按ずるに,将軍家の屋敷よりは東北にて,鬼門に当るゆへに,京都の天台山に似て名たる歟」と伝えている。道教の秘境とされ,天台教学の根本道場であった中国の天台山や京都比叡山(天台山)にならったのであろう。「残稿」は「山脈,北ハ五輪山及ヒ大平山ニ,東ハ十二所村ノ諸山ニ連延シ,雑樹叢生ス,登路一条,山ノ西ノ方紅葉が谷ヨリ東ノ方ヘ登ルコト四町四十一間ニシテ嶺上ノ樵路ニ合ス」とのべている。昭和初期には二階堂の小字として天台山がある。現在,建長寺裏から瑞泉寺へのハイキングコースが当山域を通り,また南の尾根続きには夢窓国師が建立した遍界一覧亭の跡がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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