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八菅山
【はすげさん】


愛甲(あいこう)郡愛川町の南東部にある山。小仏山地の南東端,相模川に流れ込む中津川沿いに位置する。標高225.7m。古来日向(ひなた)山とともに修験の山として知られ,山の中腹に八菅神社(別称八菅の七社権現)があり,明治期に神仏分離令が出るまでは修験道場として栄えた。当山は古名を蛇形(じやぎよう)山といい,これは日本武尊が近くを通った際,連なる山々が北方を頭とした竜の姿に似ていたところからついた名称といわれる。当山は,大宝3年日本武尊を慕って入山した役小角が修法を行い,その後,行基が登り七社権現を祀ったと伝える。山名は「光勝寺再興勧進帳」によると,八丈八手の玉幡(はた)が都率天から山中に降臨した時に,八本の菅根が忽然として生じ,これを受けたことから起きたとあり,この修験道にちなむ説のほかに,八菅山の集落付近に生えている山スゲにちなむという説もある。地元の村では山菅を草履や結束材料に常用していた。現在でも麦・稲などをたばねるための結束材料としての山スゲを「はすげ」と称し,山名はこの「はすげ」を産する山の意味として起こったものとする説がある(八菅修験と菅の民俗と伝承)。山の西から南にかけてはゴルフ場(中津川カントリークラブ)になっている。東麓には中津工業団地のほか春日台団地があり,宅地開発も進んでいる。山頂周辺を七尾山ともいう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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