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秦野盆地
【はだのぼんち】


県中央部に位置する盆地。北縁は丹沢山地南麓に,南縁は大磯丘陵北縁を限る直線的な渋沢断層(断層崖の比高50~70mの活断層)によって境される東西約6.5km,南北約4kmの断層角盆地である。丹沢山地から南流し相模平野へ排水する金目川・葛葉(くずは)川・水無川や足柄平野へ排水する四十八瀬川などの河川の扇状地が盆地床を形成し,それらはいずれも典型的な水無川で,伏流水のために地下水位が低く,扇頂・扇端以外は水の便に恵まれなかった。そのため農業も畑作が中心となり,タバコは大正末期から昭和初年の最盛期には500戸余の農家で栽培され,当盆地の特産品として知られた。しかし現在では,タバコや落花生などの特産品の生産は最盛期の10~40%にすぎず,それらに代わって全国1~2位の出荷額を示すカーネーションが新しい特産物として盛んに栽培されている。また,水の便の特に悪い扇央の畑地には,昭和30年代以降曽屋原工業団地・平沢工業団地が相次いで建設され,内陸工業地帯として発展しつつある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7068517