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二子山
【ふたごやま】


双子山とも書く。足柄下郡箱根町にある山。箱根火山のカルデラ内の7つの中央火口丘の1つ。芦ノ湖の東に位置し,山体は溶岩円頂丘である。中央火口丘の中で最も新しい山である。上二子山(標高1,091m)と下二子山(1,065m)の2峰に分かれる。北麓は芦之湯,南西麓は元箱根,東麓は畑宿が立地する。上二子山は別名表二子山ともいい,現在山頂には無線中継所がある。下二子山は裏二子山ともいい,ハコネコメツツジ(町天然記念物)の群落がある。火山の母岩が露出し,風が強いため高木が育生せず,風衝低木植物群落が生育している。このため現在は登山禁止となっている。このほか,オノエラン・ムラサキツリガネツツジ・ヒメイカガミなど植物の種類は多い。「筥根縁起」によると「長生妙術の霊薬之れに籠る,或は筥にし,或は蓋にす,故に蓋子(ふたご)塚と号す」とあり,山名の由来を示している。山頂域には火山特有の小山頂がいくつかあるため「表二子に裏四子」とも呼ばれる。上二子山の西麓の裏街道(国道1号)沿いには元箱根石仏群が点在する。このうち六道地蔵は上二子山の岩壁を利用した国重文の磨崖仏である(正安2年の銘あり,高さ3.3m)。また山地内には伝説に富む精進が池もある。下二子山の南麓は箱根旧街道が通る。甘酒茶屋・お玉ケ池などの観光名所もここに位置する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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