宝積寺ケ谷
【ほうしゃくじがやつ】

鎌倉市山崎，宝積寺（現在廃絶）のあった谷名。「新編相模」は，宝積寺について暦応年中夢窓疎石が開創したとの伝をのせているが，別に「鹿山略記」を引いて方外宏遠が開山であろうとし，この方が正しかろうとしている。廃年は不明であるが，室町期に長尾忠景から慈光院某にあて，宝積寺のことについて隔心なきことを述べた書状が「黄梅院文書」（県史資３下-6338）にあるから，その頃までは存在していたことがわかる。「新編相模」には「小名宝積寺谷と唱へ村民の宅地となれり」と見える。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7068918