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三ツ石
【みついし】


足柄下郡真鶴(まなづる)町真鶴字岬にあり,相模湾に突き出た真鶴半島の先端の海上約600mにある岩礁。「新編相模」には笠島とあり,「日工集」に見える竪島(たてじま)もこの笠島のことと記している。この岩礁は真鶴岬とは弧状に延びる砂州で結ばれている。岩礁は真鶴半島を形成した箱根古期外輪山溶岩の先端に当たり,溶岩が浸食から残されたものである。岩礁上に植生は特にない。しかし海岸生物は豊富で,県天然記念物に指定されているウメボシイソギンチャクとサンゴイソギンチャクをはじめ,ヤマトウミウシやイソアワセモチなどがよく観察される。相模灘の波が三ツ石の巨岩に砕ける勇壮なさまは観光客の目をひいている。坪内逍遥は当岩礁を「初日の出なぜ三ツ石に注連(しめ)張らぬ」と詠んでいるが,現在,三ツ石には真鶴町観光協会によって注連縄が張られている。周辺は海釣りの適地で多くの釣り人が訪れる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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