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御幸ノ浜
【みゆきのはま】


小田原市の市街地の南方に位置し,相模湾に臨む本町3丁目付近一帯から早川河口までの約2kmの海岸。海岸名は,明治6年8月,宮ノ下温泉行幸の際の天皇が付近の海岸で地引網漁を見学したことを記念したことにちなむ。それまでは,旧砲台下の海岸とだけ呼ばれていたという。当初,その指し示す範囲はごく狭いものであったが,今日では相当拡大してその名称を使用している。近世の頃から,当海岸で正月および7月26日の夜半の月を拝むと月光の中に阿弥陀如来・観世音菩薩・勢至菩薩の3尊が姿を現すと伝え,二十六夜待ちと呼ばれる信仰的行事が民衆の間で行われるようになったが,大正期の初め頃に,これとは別に7月16日に行われていた大松明と呼ばれる海上遭難者の供養と漁獲を占う行事とが一緒になり,今日まで続けられている。両者とも海岸で盛んに線香をたく行事であったため,現在では大松明線香祭りとして例年8月12日に行われるようになった。このほか,8月15日には海上花火大会が行われる。これらの行事はいずれも小田原城夏祭りの一環として行われている。昭和47年に完成した西湘バイパス(国道1号)が砂浜の背後を通っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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