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荒川
【あらかわ】


山形・新潟両県にまたがる1級河川。総流長約59km。県内流長約32km。山形県小国町の北東部にある大朝日岳西麓に源を発し,横川・玉川を合流して,岩船郡関川村金丸の峡谷で本県に流入。関川盆地の入口で大石川が,西部で女川・鍬江沢川などが合流し,神林村塩谷浜で日本海に注ぐ。県境から平野部に至る流路は先行性流路の荒川峡を形成。峡壁の高さは500mにも及ぶ峡谷美を展開する。荒川水系は水力資源にも恵まれ,本流に岩船・赤芝のダム式発電所,支流大石川に多目的ダムがあり,また,長者原など3つの水路式発電がある。櫛形山脈に刻んだ横谷に荒川頭首工も造られ,荒川町・神林村の水田4,330haを灌漑。荒川の流路沿いに山形県と新潟県を結ぶ米沢街道が通じ,関川村下関には,米沢藩御用米承りの豪農である渡辺邸がある。河口付近に江戸期,塩谷・桃崎浜・海老江の3湊が繁栄した。昭和42年8月の羽越水害は,県内荒川水系で死者行方不明者49名,家屋流失186戸の被害を発生。その後1級河川への昇格により国営事業による復旧治水工事が進められた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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