100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

大網峠
【おおあみとうげ】


粟峠ともいう。糸魚川(いといがわ)市と長野県松本市を結ぶ「塩の道」にある峠。標高850m。信越国境の鎌倉山東方鞍部に当たる。糸魚川から姫川をさかのぼる経路は根小屋集落で二筋に分岐して姫川の渓谷部を迂回するが,本峠は東側根知谷筋を溯行して同市山口から信州小谷(おたり)村大網に抜ける。夏季は牛背で塩・魚類が運ばれたが,冬は4m以上もの積雪をボッカの背負荷で通過する難路であった。中世から明治初期まで日本海側からの内陸横断の要地で,最盛期には1日に100駄(1駄は牛1頭に25貫の塩)を運んだ。峠の手前白池のほとりに2軒のボッカ宿があったが,文政7年戸倉山の大雪崩で押しつぶされ,泊まっていたボッカら12人が即死した。姫川沿いに新道ができて馬車輸送が可能になり廃れた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7070958