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大峠
【おおとうげ】


岩船郡朝日村南端部の柳生戸から山形県小国町に抜ける峠。標高659m。山形県境にあって村上市と朝日村の境界でもある烏帽子岩東方鞍部に位置する。峠越えの道は「越後野志」に三面越と記し,村上城下から山形県の米沢城下へ通じる米沢街道の間道で,峠を越えて小国町荒沢を経,小国宿で米沢街道に合流した。村上より小国まで10里2町とあり,柳生戸には村上藩の口留番所があったと記す。戊辰戦争時米沢藩が峠に砲台を築き,柳生戸を砲撃した。峠道は上杉謙信がつけたという伝説がある。ふもとの柳生戸には天保7年の「牛馬為安通」の石碑がある。牛馬の往来があって柳生戸は宿駅の役割を果たすために旅人の宿泊と牛馬による運送の機能をもつ中継地として栄えた。子易神社へは安産の祈祷や針供養に多くの婦女子がお参りに往来したという。羽越線・米坂線の開通やバスの発達により峠道は廃れた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7071195