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加治川
【かじかわ】


新発田(しばた)市を貫流する2級河川。流長47.5km。流域面積346km(^2)。新発田市東端にある飯豊山系の北股岳・大日岳に源を発し,内倉川・姫田川・坂井川などの支流を集め,北蒲原郡聖籠町次第浜で日本海に注ぐ。新発田市米倉あたりを扇頂とする扇状地を形成するが,近世初期には,扇頂部から新発田川・佐々木川など数本の支流に分かれ,紫雲寺潟・福島潟・島見潟などに注ぎながら,砂丘に妨げられて海に出ることなく西流し,新潟市松浜地内の砂丘内陸部で阿賀野川に合流していた。そのため流域一帯は洪水の常襲地で,慶長4年新発田藩祖溝口秀勝が入封し,加治川扇状地の現地に新発田城を築いて以降,歴代藩主は墾田治水に努めた。その中心の1つが加治川の河道の一本化と,諸川を各潟に落とさないための瀬替工事であった。享保15年の阿賀野川河口の現新潟市内松ケ崎に放水路として堀割完成後は,加治川筋の排水状態も比較的安定し新田開発が急速に進んだ。その後,明治39年の河川法の適用により,翌年県は加治川水害予防組合の設置と同時に,直轄工事として実測調査を行い,大正2年加治川を直接日本海に放水する加治川分水路(延長4.9km,水深3.7m,幅109~182m)を7年間の歳月を費やして完成。その記念の桜並木は行楽地として名高い。昭和40年,41年と連続して発生した羽越水害では,加治川の破堤により新発田市・豊栄市,北蒲原郡加治川村・紫雲寺町などの流域一円は大災害を被った。上流には加治川発電所,支流内ノ倉川に内ノ倉ダムが設けられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7071628