小滝川
【こたきがわ】

姫川の支流。新潟・富山県境，糸魚川(いといがわ)市西端にある犬ケ岳からの西俣川，長栂(ながとが)山・黒負山からの東俣川が合流して東流し，同市小滝前川地区において姫川に注ぐ。流長12.7kmの１級河川。上流域は中生代の砂岩と粘板岩の互層，下流域は古生代石炭紀・二畳紀の石灰岩帯とそれを貫く蛇紋岩帯が発達する。下流部北岸，明星山の南斜面には約700ｍの大岩壁があり，ロッククライマーが集まる。岩壁に自生する真柏は糸魚川真柏として知名度が高い。融雪期の水量も多く，長栂・滝上・小滝川・新小滝川の４発電所が設置されている。上流部サカサ沢の出合いには国天然記念物の小滝川翡翠峡がある。河床にはアルビタイト（曹長石）の白い岩石群がみえ，その中に緑色で半透明の翡翠が含まれる。日本各地の縄文期などの遺跡から出土する翡翠は，この小滝川と西頸城(にしくびき)郡青海町の青海川の原産といわれる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7073105