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関川
【せきがわ】


高田平野を北流して日本海に注ぐ1級河川。中頸城(なかくびき)郡南西部にある妙高山・火打山や長野県信濃町にある黒姫山などの妙高・戸隠山塊に源を発し,妙高山・黒姫山の山麓にV字形の渓谷を形成する。流長64km。流域面積1,143km(^2)。中頸城(なかくびき)郡妙高高原町関川地点で長野県信濃町にある野尻湖より流下する池尻川が合流し,新井市で平野部に入って長野県境をなす関田山脈を水源とする大熊川・別所川・櫛池川などが合流し,上越市直江津地区の河口付近で東頸城丘陵から流れる保倉川が流入する。左岸では火打山麓からの矢代川が上越市街地南東部で合流し,南葉山麓からの青田川が小扇状地を形成して同市街地を貫流,北部で関川に合流。川の名は戦国期から上流部信越境に関所が設けられたことによる。流域は全国でも有数な地滑り地帯。勾配の急な関川本流筋の上流部では水力発電の開発が早く,16か所の水路式発電所が建設され,上越地方の工業発展の原動力をなした。農業用水は江戸期に開削された中江・上江・稲荷中江の各基幹用水路に取水され,高田平野の大半を潤す。関川下流部では,工業用水として一部取水して直江津工業地域に供給している。治水事業は,明治30年8月,同31年9月の大出水による災害復旧を契機に関川改修事業が実施されてきた。昭和57年9月13日の水害は高田・直江津地域に大被害を与えたが,これを機に関川激甚災害対策特別緊急事業が昭和57年より発足し河川改修が実施され,現在なお継続中である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7074695