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中ノ口川
【なかのくちがわ】


信濃川下流部の分流名。燕市道金で信濃川から左岸に分流し北上し新潟市で再び合流する1級河川。流長31.9km。西蒲原郡と中蒲原郡の郡界をなす。「正保国絵図」では中ノ口川と信濃川の間に4島がある。上流から須頃(すごろ)島・大島・小吉島・大郷島で現在4島は連なって1島となり,白根市域全体を載せるほか,燕・三条・加茂市の一部を載せる。旧4島は今も周囲に堤防をめぐらした別個の輪中であり,市域を超えて独立した水利体系をもつ。上杉氏の重臣直江兼続の開削や拡幅の工事伝承があるが「文献徴すべきなし」と「中蒲原郡誌」にはあり,直江伝説の真偽は不詳。信濃川本流筋に比して拡幅工事がなされないため川幅が狭く,比高7m前後の堤防に挟まれる。両岸に発達する自然堤防上には集落列が載るほか,現在,モモ・ブドウを主とする果樹栽培が見られる。昭和初期の大河津分水完成までは頻繁に破堤した。「越後野志」に「平駄船運送して水路便利なり」とあり,戦国期以来分水完成および昭和8年左岸に電鉄が開通するまで新潟~長岡間の内陸水運に利用された。白根市白根と対岸の味方村との間で毎年6月5日~11日に行われる凧合戦は,畳24帖分もある大凧をあげるなど,全国的に有名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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