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三面川
【みおもてがわ】


県北部を西流して日本海に注ぐ2級河川。「越後野志」に瀬波川とあり,一名野村川,一名下渡(げど)川ともあって「香魚鮭多産なること国中第一」と記し,現在も鮭の川として著名。新潟・山形県境をなす朝日山地の岩船郡朝日村三面に源を発し,村上市街北部をかすめて同市瀬波で海に出る。流長50km,流域面積667km(^2)。主たる支流に上流部の猿田川・末沢川,下流部で合流する高根川・門前川がある。源流域は花崗岩からなる1,500m以上の山々が半円状に囲み,年間3,000mmを超す降水量がある。源流域は磐梯朝日国立公園,同公園特別保護区に属す。上流部の朝日村岩崩に昭和28年完成の三面ダム,昭和32年完成の猿田ダムの多目的ダムがある。奥三面ダム建設が平成元年着工予定,アーチ式,最大出力3万4,500kw。鮭漁は,近世村上藩の財政を潤し,維新後は旧藩の設立による村上鮭産育養所が,独占した鮭漁業権から上がる収益を「鮭の子」と呼ぶ人材育成に当てた。現在は三面川鮭産漁業協同組合が当たり,昭和52年から川を全面柵で締切る一括採捕方式をとり,捕獲数・放流数を伸ばした。内水面漁業資料館サーモンパークが建設されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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