100辞書・辞典一括検索

JLogos

7

薬師峠
【やくしとうげ】


東頸城(ひがしくびき)丘陵東部にある峠。東頸城郡松代町犬伏と十日町市名ケ山とを結ぶ。標高356m。信濃川支流渋海川流域と,信濃川本流との間の分水嶺をなす峠で,東頸城郡と中魚沼郡との郡界尾根の上にあり,両郡を結ぶ旧松之山街道の重要な峠道であった。冬は雪崩の危険のため,峠のやや北の東西に通る尾根道が,旧薬師峠道として利用された。近世,東頸城郡の繭・青苧などが峠を越えて,機業地の中魚沼郡に運ばれた。また紡績女工を含む出稼者が利用した峠でもある。昭和30年代までは冬季,逓送隊の徒歩輸送により,郵便物が旧薬師峠道を越えて,十日町市から松代町に運ばれた。現在は国道253号が,峠の下を長大トンネルで通過し,車で容易に松代町から十日町市に抜けられるようになった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7078759