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六十里越
【ろくじゅうりごえ】


北魚沼郡入広瀬村と福島県只見町の境にある峠。標高863m。越後山脈の浅草岳の南鞍部にある。「越後野志」に高田城下から会津へ抜ける最短距離の道路にこの峠を利用したとあり,大白川から田子倉(只見町)までの峠道を「人跡絶たる大行路難の地故,一里の行程を十里に比べ,当六里の道を六十里と称す」とある。近世はこの峠越えで往来はにぎわったが,難所が多く,鬱蒼としたブナ原生林と褐色の断崖は不気味な景観であった。会津から山菜・青苧・蚕種が移入,越後から小間物・日用雑貨・綿布などが移出し,昭和初年までは重要な生活道路であった。現在,峠越えはJR只見線の六十里越トンネルが利用され,旧峠道はほとんど利用されていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7079389