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赤祖父川
【あかそぶがわ】


東礪波(ひがしとなみ)郡を流れる山田川右岸の支流。流長約10km。礪波平野の南東部に連なる高清水(たかしようず)山系の赤祖父山と扇(おうぎ)山の西斜面に発し,井口(いのくち)村の中央を貫流して山田(やまだ)川(小矢部(おやべ)川の支流)に注ぐ。「赤そぶ川。井口郷山より流出,広安村領にて山田川へ落合」(宝暦十四年調書/越中志徴)。水源地一帯はブナ・ミズナラ・トチ・ケヤキなどの自然林で,土砂流出防止・水源涵養保安林に指定。城端(じようはな)町東西原付近で川底から自噴する炭酸水は炭酸を放出して不溶性の石灰華となり,水中の落葉やコケに沈殿・付着して木の葉石を形成する。「楓,栢等の葉様彫付たるが如く,切ても内に幾重も又葉の形あり。石色は黄赤にして堅石なり。好事家此石を取て,松竹或は奇花珍草を植て水盤に置,奇翫とす。能水を引て草木とも繁茂す。然れどもみだりに取て山神害を成事有りとて,正徳年中公裁有て禁ぜられ,今は取事ならざるなり」(越中地名考/越中志徴)。県天然記念物(昭和40年指定)。また,赤祖父水郷用水補給事業として井口村川上中でせき止めて赤祖父溜池を築造(昭和20年完成)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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