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庵谷峠
【いおりだにとうげ】


婦負(ねい)郡細入(ほそいり)村の庵谷と片掛(かたかけ)の境の峠。標高333m。かつては越中と飛騨を結ぶ飛騨街道の難所の1つで,越中からの米・魚・塩・木綿,飛騨からの木地類・コウゾ・鉱石の峠越えのために,多数の人足と牛馬を必要とした。庵谷と片掛は江戸期から宿場町として栄え,大正年間以後に神通(じんづう)川の電源開発の進展に伴い,工事用物資の調達拠点として,庵谷は峠道とともに大いににぎわった。昭和初期には村役場をはじめ,警察署・銀行支店なども開設されたほどである。その後,国鉄高山本線(昭和5年猪谷(いのたに)まで,同9年全通)・国道41号庵谷トンネル(昭和32年)の開通で,峠越えの必要がなくなったので,その拠点としての地位を失った。峠付近の展望台からは,神通川第1ダムや神通峡の雄大な眺めが一望できる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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