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伊弥頭国
【いみずのくに】


旧国名:越中

(古代)平安初期に見える広域称。律令国家成立以前に,のちの越中国射水(いみず)郡を中心とする地域を指して呼んだ名称か。「先代旧辞本紀」巻10の国造本紀に伊弥頭国造(いみずのくにのみやつこ)が見え,志賀高穴穂(しがのたかあなほ)朝(成務天皇)の御世に宗我(そが)氏と同祖の建内宿禰(たけしうちのすくね)の孫大河音足尼(おおかわとのすくね)を国造に定めたとある。この記事の内容はもちろんそのままには信じることができず,伊弥頭国造の名称も他に見えないが,従来,同書の中でも国造本紀は一定の史料的価値を持つものとされている。後世新川(にいかわ)郡の擬大領として射水臣貞益(三代実録,仁和2年12月18日条),礪波郡擬大領として射水臣常行(延喜十年越中国官倉納穀交替記)などの名が知られるが,この射水臣一族がかつての国造の氏であろう。伊弥頭国造の勢力下にある境域が後の射水郡の地を中心にどの程度の広がりを持っていたかは不明。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7079979