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加路比川
【かじひがわ】


奈良後期に見える川名。礪波(となみ)郡井山(いやま)村東北に位置する。木倉豊信は井山村を現在の庄川(しようかわ)町雄神(おがみ)地内,これをうけて礪波市増山新(ますやましん)・石坂(いしざか)以西あたりに比定する説など,諸説があるが未詳。神護景雲元年11月16日の「越中国礪波郡井山村墾田地図」では,井山村の領域を絵図で示した中に「東北角加路比川堺石寺」とある(東南院文書)。石寺は礪波市増山新・石坂の境の行者塚に比定する説がある。井山村は神護景雲元年の「越中国諸郡荘園惣券」によれば120町のうち,47町85歩が開墾されているにすぎない(東南院文書3の29)。また長徳4年の「東大寺領諸荘注文案」では「越中国礪波郡井山庄田四拾町已荒」とあり(東南院文書4付録5),すでに荒田となっている。その後弘安8年まで東大寺領として注進されているが,以後の消息はわからない。おそらく荒田のまま消滅していったものと思われる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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