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杵名蛭川
【きなひるがわ】


奈良後期に見える川名。礪波(となみ)郡杵名蛭村に位置する。現在の井波(いなみ)町・庄川(しようかわ)町・礪波市などに比定されるが未詳。「東南院文書」の神護景雲元年11月16日の「越中国礪波郡杵名蛭村墾田地図」に杵名蛭村の四至を記した中に「東杵名蛭川」と出てくる。しかしこの史料のほかに杵名蛭川の存在を示すものがなく,わずかに現在の庄川の古称であろうとする名越仁風の説があるものの,不明な点が多い。杵名蛭村は神護景雲元年の「越中国諸郡荘園惣券」によれば,村地58町5反58歩のうち,22町5反174歩が開かれている(東南院文書)。その後弘安8年の「東大寺越中国内封戸荘々注進状案」にも「杵名蛭庄田五十八丁五反五十六歩」とあるものの,以後の消息は詳らかでない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7081068