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ザラ峠
【ザラとうげ】


上新川(かみにいかわ)郡大山(おおやま)町と中新川郡立山(たてやま)町の境にある峠。獅子岳と鳶(とんび)岳を結ぶ尾根の鞍部に位置する。標高2,348m。佐良峠とも表記するが,「越中志徴」には「沙羅々々越」「ざらざら越」とある。西方の立山温泉へ湯川谷(ゆかわだん)(常願寺(じようがんじ)川の支流)沿いに下る道筋が、カルデラ壁の崩壊でざらざらしているのに由来する名という。現在,尾根伝いの立山・薬師岳縦走路はにぎわいを見せるものの,その峠道はほとんど利用されない。しかし,かつては立山温泉から黒部峡谷の平(だいら)を経て針ノ木峠に至る,越中~信州間の重要交通路の一部をなしていた。佐々成政の「さらさら越」も,この峠道を利用して信州に抜け,浜松の徳川家康に援軍を求めたもの。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7081605