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称名滝
【しょうみょうがだき】


「しょうみょうだき・しょうみょうのたき」ともいう。中新川(なかにいかわ)郡立山(たてやま)町の称名川(常願寺(じようがんじ)川の支流)に懸かる滝。勝妙・正明・正妙・唱妙とも表記した。立山の弥陀ケ原(みだがはら)を200mも浸食した称名川が,弥陀ケ原北部の溶結凝灰岩の大岩壁に懸かって千段構えの滝をなす。落差350m。最下の滝が落差126mでもっとも高く,水量の豊富のときは大水柱となって落下するが,水量毎秒2tのときがいちばん美しいとされる。「法華経験記」に「地獄谷ノ末ニ大滝有リ。高キコト数百丈,勝妙ノ滝ト名ヅク。白布ヲ張リタルが如シ」と記されている(越中志徴)。佐伯有頼(立山開山伝説の主)が立山に登ったとき,滝の音が称名念仏に聞こえたのが,滝名の由来という。毒蛇がすくっていてみだりに人語を発すると引き込まれると古くから恐れられ,立山登拝のものも遠くから伏し拝むのみであった。大正末期に佐伯八郎が八郎坂(称名坂)を開いてから,訪れるものが多くなった。第2次大戦中,滝を利用する水力発電が計画されたが,敗戦で中断され,滝の破壊を免れた。右側に同じ滝壼に落ちるのがハンノキ滝で,落差は500mてあるが,晴天が続くと水がなくなる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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