長棟峠
【ながととうげ】
上新川(かみにいかわ)郡大山(おおやま)町長棟と岐阜県吉城(よしき)郡神岡(かみおか)町佐古の県境にある峠。高幡(たかはた)山と池ノ山を結ぶ尾根の鞍部に位置する。標高1,155m。峠の北側1.2km,長棟川最上流部にあった長棟は,「百姓共熊皮毎年上納仕り来り候。年数之義は何百年以前より在り来り候哉,旧き事故相知らず」であった(越中礪山雑誌/越中志徴)。寛永4年銀鉱山が開かれた。そのため,長棟峠は生活物資を求める佐古への往来でにぎわったが,大正12年の閉山とともにさびれ,昭和21年長棟の廃村でまったく利用されなくなった。また,長棟鉱山(かねやま)道というのは,熊野川とその支流の黒川をさかのぼって檜(ひのき)峠を越え,薄波(うすなみ)・奥山を経て長棟に至るものであった。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7083188 |