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灘浦
【なだうら】


氷見(ひみ)市の阿尾鼻(あおはな)(阿尾城址)から宇波(うなみ)・仏島(ほとけじま)(石川県境)を経て観音崎(かんのんざき)(七尾市,小口瀬戸)に至る約30kmの海岸の総称。石動(せきどう)山地に連なる低山性の丘陵が海に迫り,新生代の藪田(やぶた)層の泥岩が浸食されて絶壁をなす。その間に小平地が開け,小平地や崖下に半農半漁の集落が点在する。国道160号が海岸線をぬって走る。沖合の大陸棚は海谷が深い上,能登半島が北西の季節風をさえぎるので,古くから定置網漁が発展。古くは藁(わら)台網が使われたが,文化年間に麻苧(あさお)台網に,明治41年に大敷網に改良され,灘浦漁業の名を高めた。ブリ・マグロ・イワシ・アジ・サバ・カツオなどがとれたが,最近は他の沿岸漁業と同じく不振。昭和43年5月に能登半島国定公園に指定されて以来,観光地化が進み,漁業も釣客相手の釣舟を出す程度となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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