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針ノ木谷
【はりのきだん】


中新川(なかにいかわ)郡立山(たてやま)町にある黒部川右岸の支谷。針ノ木岳・蓮華(れんげ)岳・北葛(きたかつ)岳・船窪(ふなくぼ)岳の水を集めて西流し,平(だいら)ノ渡場で黒部湖に注ぐ。針ノ木峠を越えてこの谷沿いに平に出,刈安峠・ザラ峠を経て立山温泉に至る道筋は,古くから越中と信州を結ぶ重要な交易路で,江戸期には加賀藩の黒部下奥山廻役の巡視コースでもあった。明治以後も歩荷(ぼつか)や牛による物資の運搬でにぎわったが,次第にさびれ,昭和46年のいわゆる立山黒部アルペンルートの完成で,登山者以外にはまったく利用されなくなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7083767