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人喰谷
【ひとくらいだに】


東礪波(ひがしとなみ)郡城端(じようはな)町の南部にある谷。高落場(たかおちば)山の西斜面を刻む二ツ屋川支流横渡(よこわたり)川によって形成された。昭和47年県条令によって「縄ケ池・若杉自然環境保全地域」に指定。谷の中腹を,旧五箇山(ごかやま)街道の1つ朴(ほお)峠越の山道が通り,五箇山との物資・人馬の交流が盛んであった。当地は山越えの難所で,伝説によると,ある年の3月上田部落から朴峠へ向かった一行52人が雪崩にあい行方不明となった。遭難者は発見できず52本の杖だけが発見されたため,谷が人を食ったといううわさが広まり,それ以来人喰谷と称したという。現在国道304号が通り,五箇山への産業・観光の基幹ルートとなっているが,当地では道幅が3~4mと狭く,カーブが多い。また冬季には積雪が数mにも達し,雪崩も多く,毎年12月から翌年4月末まで通行不能となるため,県では昭和55年から5年計画で,人喰谷から平(たいら)村梨谷(なしたに)まで全長2,160mの五箇山トンネルの建設を立案している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7083966