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二上川
【ふたがみがわ】


室町中期に見える川名。堯恵法印の「善光寺紀行」の中の歌に「ひとつせに 流れての名は いかなれや 二上河の 水のしら浪」とある(群類)。「越中志徴」には「二上川は小矢部川の下流にて,昔は庄川・小矢部川と合流して射水川といえり」と記されている。しかし「万葉集」にも小矢部(おやべ)川は伊美都(いみず)河と詠まれてはいるが二上川とは詠まれておらず,いつの時代から小矢部川の下流を二上川と呼んでいたかはわからない。ただ「瑞竜公御書等写」には二上渡船に関する書状が,天正・慶長年間に見えることから,この時期には二上川という呼称があったと思われる。おそらく二上山麓を流れる小矢部川を便宜的に二上川と呼んでいたのであろう。→射水川(いみずかわ)




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7084189