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見返坂
【みかえりざか】


東砺波(ひがしとなみ)郡上平(かみたいら)村の境(さかい)川(庄(しよう)川支流)左岸,開津(かいづ)・赤摩木古(あかまつこ)両谷の谷口東側の尾根道にある坂。西赤尾から越中桂(かつら)へ行くには,江戸中期までは草谷(くさだん)を登ってブナオ峠の南方へ出,そこから南に折れて赤摩木古谷を下って境川筋へ出る道しかなかった。江戸中期頃になってようやくタカンボウ山の南側中腹を通って桂へ出る道がついたという。この道は,庄川との合流点より1.5kmほど上流(打越(うちこし))の水無(みずなし)谷から始まる。タカンボウ山頂より南へ延びる尾根の標高900m付近(頂上を善徳という)を越えて,山頂から南西に延びる尾根に出,そこから見返坂を下って,赤摩木古谷の谷口でブナオ峠からの旧道に合流していた。道幅は30cm余りで,昭和に入って境川沿いの自動車道ができるまで使用された。この坂は岩山を開いたもので,通行には危険が伴った。また,この坂のあたりはツツジ・ユキツバキ・マツなどが多いうえに見晴らしがよい。そこで,危ないから,あるいはきれいだから3べん振り返ったという意味でこの名がついたといわれる。現在,境川をせき止めてこの坂から対岸にかかるダムを建設中である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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