100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

湯川谷
【ゆがわだに】


上新川(かみにいかわ)郡大山(おおやま)町にある常願寺(じようがんじ)川最上流部の支流。鳶(とんび)山と竜王(りゆうおう)岳を結ぶ尾根の鞍部にあるザラ峠を源頭とし,尾根の西斜面の水を集めて西流し,南流する真川と合して常願寺川となる。流長約4km。湯川谷は流出する土石量が多く,勢いが激しいので,常願寺川が県内随一の荒れ川となっている。安政5年2月26日,跡津川断層に沿って大地震が発生,鳶山のカルデラ壁が崩れ,湯川谷と真川をせきとめて大自然湖ができた。それが雪解けとともに,3月10日,4月26日の2度にわたって鉄砲水となり,富山平野一帯に甚大な被害をもたらした。世にいう立山大鳶崩れである。明治39年以来,砂防工事を間断なく行っている。源頭のザラ峠は佐々成政の峠越えで有名なところ。そして,流域には立山温泉・泥鰌(どじよう)池・多枝原(だしはら)池・刈込池などがあって,立山連峰の名所となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7085048