100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

大川浜
【おおかわはま】


輪島市町野(まちの)町大川にある浜。白崎(しらさき)より町野川の河口に至る約2.5kmの砂浜海岸で,外浦海岸の一部。能登半島国定公園に属する。東に延びた砂浜は,沿岸流の影響を受けて町野川の河口を東方に押しやり狭搾化した。背後は大川台地(標高70~90m。洪積世の海岸段丘)。大川の集落(世帯数70・人口273)は大川砂丘(長さ約1,500m・幅約400m,奥能登最大)上にあり,一般国道249号が並行。大川の名は「能登名跡志」に「此村は町野川の湊にあれば大川の名あり。川の向は曽々木也」とあり,能登随一の大河である町野川の川尻にあることに由来。かつての能登の製塩は,天候以外比較的恵まれ,藩の専売制の下で最も盛んに行われ,ここでも揚浜式で行われていた。天保11年の大川村の塩生産高は8,886俵,塩士数28人とある(輪島市史)。明治4年以降は自由競争となり,瀬戸内の入浜式に比べ生産性が低いため次第に衰退し,昭和30年頃消滅したが,同34年観光資源として,専売公社から特別に許可されて,珠洲(すず)市仁江(にえ)海岸で復活した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7085977